旭化成建材施工実績リスト調査の進捗状況についてこのような内容のPDFが配布されています。
全文が長かったので分かりやすく要約してみました。
旭化成建材の過去 10 年間の杭工事実績 3,040 件に関する調査の進捗状況報告の要約版
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原本:
https://www.asahikasei-kenzai.com/news/pdf/20151102_owabi.pdf
1.旭化成建材と元請建設会社様による調査の流れ
- (1)全国の支店で保管されている施工報告書の取り寄せ実施。
- (2)施工報告書の電流計データおよび流量計データについて目視で確認。
- (3)上記確認の結果と、元請建設会社様の調査結果を照合。
2.旭化成建材の調査状況
- (1)データ流用等が確認された現場代理人が過去に担当した41 件の全対象物件に対し、 19 件にデータ流用等の事実を確認。データ流用等を行った背景および動機に関しては、調査委員会に加えて、外部調査委員会においても調査を進めている。
(2)旭化成建材の全 3,040 件に対する調査
- 3,040 件の確認作業を進めており、2,858 件は元請建設会社様への調査依頼を送付済み。横浜市マンション以外にも、複数名によるデータ流用等が確認。施工データの取得・管理と、施工報告書の作成およびそのチェックを行う管理体制が不十分であったと認識し、今後も継続調査。
3.旭化成建材の今後の取組み
- (1)データ流用等は、旭化成の調査委員会が、外部調査委員会の指導および助言を得ながら、関係者への聞き取り調査および入手可能な関係書類の精査等の調査。
- (2)問い合わせに対応窓口を定めており、迅速に情報を提供。
- (3)データ流用等が確認された物件は、元請建設会社様を通じて施主様等にデータ提供など協力
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- 1 マンション傾斜問題の旭化成建材の物件の内訳公開~都道府県別一覧~
- 2 マンション傾斜問題の建物の種類別一覧
- 3 緊急テーマ:横浜市マンション傾斜問題を考える
- 4 今回のニュースに限らずこの業界に対して不信感はありますか?
- 5 1次下請け、2次下請けって必要あるの?
- 6 横浜市マンション傾斜問題に関するニュースやピックアップ情報リンクまとめ
この記事にもありますように、やはりこの問題は個人レベルでは無いようです。
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もう一つのPDFはこちら
横浜市都筑区マンションの現場代理人が関わった現場数(施工データの流用があった現場数)
原本:
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2015/pdf/ze151102.pdf
解説
- ( )の中がデータ流用があった現場数となっています。
- 合計で41件のうち19件がデータ流用があったもの
これは横浜マンション傾斜問題の現場代理人「だけ」のものですから、その他の現場代理人、旭化成建材以外の現場でも調査したらどうなるのでしょうか。。。
青田売りの弊害は売る側にも責任が大きくあるように思います。元請けから下請け、協力業者とタッグを組むことは悪いことではありませんが、価値を提供しないで中間マージンをガッツリ取ることは最終的に現場に影響が出てしまうはずです。
買う側も売る側も双方で本当により良い住まいについて膝をつけあわせて話しあえばシンプルで良い案が出そうな気がします。
この問題、根っこから引き抜いて植え替えないと改善不可能です。
誰が悪いのではなく、この問題が起きる背景には個人のレベルを凌駕した悪しき習慣、環境があるように思います。私自身も建築業界に携わる中、他の業界ではありえないような常識がまかり通る世界でした。今も、です。
損得ではなく善悪。答えは意外とシンプルなのかも。
出来ることは限られていますが、この機会をチャンスととらえ、本当により良い業界再編へ改善の糧にするべく、まずはマンション傾斜問題に発端する、仕組みのありかた、制度やルール、法律やモラル、ビジネスモデル、責任の所在、再発防止策、下請けや孫請けに丸投げする体制などこんがらがった糸を一度紐解いて、もう一度シンプルに住まう人となる住まい手、作る人となる作り手が誰が何のためにどのように何の価値を提供するのか、という基本に立ち戻る必要があるのではないかと考えています。