三谷セキサンがデータ流用が福井県越前市の市立北新庄小学校の体育館の改築工事で発覚。電流計データ。
ついに杭打ち業界最大手の三谷セキサンでも・・・・しかも小学校の体育館でとは・・・情報が錯綜していますが、現在報道されている情報や三谷セキサンの発表の情報をまとめてみました。
<くい打ち不正>三谷セキサン、契約社員「記録紛失した」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
- 契約社員で、主に北陸地方の物件を担当
- コンクリートくいの出荷量は今年3月期で国内シェアの約25%
- 鳥取県米子市の県営住宅1棟で09年6月~10年5月に行われた通路棟などの増築工事で、県内のくい打ち業者「米子基礎」(12年に廃業)が打ったとみられるくい1本で電流計のデータ不正の疑いがあると発表
- 福井県越前市の市立北新庄小学校の体育館の改築工事
- くい53本のうち、8本のデータで流用が確認
- 施工主や元請け会社から問い合わせがあった約350件を調査した結果、電流計データ1件の流用が確認、安全性に問題はない
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越前市といえば蟹というイメージです。
これから年末年始となりますが、しばらく騒動は収まりそうにありません。
くい打ち:最大手も不正…三谷セキサン、データ流用1件 - 毎日新聞
- 三谷セキサンによるデータ不正発覚は初
- 越前市が過去5年間の市内くい打ち工事について独自調査し、三谷セキサンに問い合わせたところ判明
- データ流用の理由について、三谷セキサンは「現場代理人が電流値の測定記録後に(データを)紛失した」と説明
三谷セキサンも杭データ流用 福井・越前の小学校:朝日新聞デジタル
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杭工事のデータ偽装が発覚するのは、旭化成建材、ジャパンパイルに続いて3社目
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過去5年間に手がけた8千件程度の全工事についても調べる
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業界団体「コンクリートパイル建設技術協会」によると、同社は2014年度のコンクリート既製杭の出荷量がシェア24・5%で最大手
三谷セキサンがデータ流用でどうなる?
ということで、業界ではシェアの小さい旭化成建材からシェアの大きなジャパンパイル、そして今回業界の最大手である三谷セキサンでもデータ流用が発覚する事態となりました。福井県越前市の独自調査や問い合わせがあったもの350件のうちで1件のデータ流用が発覚とあって、これから8000件の調査の結果が気になるところです。
また、安全性には問題が無いとしているものの、小学校の体育館となれば、子供の命だけでなく、避難所などでも活用したりするとしたらと想像すると恐ろしいですね。早期に全容解明を望みます。そして自主的な調査報告でこの機会に全部の膿を吐き出してもらいたい、そう願っています。
三谷セキサンの発表は?
施工報告書のデータ流用問題に対するお詫びと今後の対応について
この度、弊社の既製コンクリート杭の施工に関しまして、施主・元請の皆様からの調査
依頼約350件につきまして、調査を進めた結果、電流計データを流用するという事態が1件判明いたしました。流用した理由につきましては、現場代理人が電流値の測定記録後に、何らかの事情により紛失したものと判断しております。施工報告書のチェック体制につきましては、現場代理人が作成したものを、工事責任者がチェックし元請に提出いたしますが、電流データの流用は想定しておらず、工事責任者によるチェック項目に入っておりませんでした。
今回のこのような事態が起き、施工記録の管理が十分でないことが明らかとなりました
ことで、関係者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを、深く反省するとともに、衷心よりお詫び申し上げます。
なお、安全性への影響につきましては、いずれの杭も、支持層に達していることが確認
できており、データを流用したことに伴う基礎杭の安全性への影響は全くございません。また現時点における弊社の再発防止策と施工報告書の調査状況につきましては下記のとおりです。
1.再発防止策について
現時点の対策として、施工現場において、全ての杭毎に掘削完了直後に電流計のデータ
を写真に収め、その後施工報告書の内容と照合してチェックすることといたします。
電流計に故障等の不具合が生じ、データの記録が正常に取れない状況となった場合は、
施工を中止し、元請管理者に報告のうえ、対処する事といたします。
2.施工報告書の調査について
施工報告書の調査については、直近5年間の既製コンクリート杭埋め込み工法の全件を
再調査し、電流計データの確認を行い、データの流用が判明した場合は、速やかに当該杭の安全性の検証を行い、その結果をご報告いたします。
なお、弊社の今年度の業績見通しにつきましては、調査を継続中でもあり、業績につい
ては見通せる見込みがつき次第ご報告申し上げる予定です。
以 上
ということでした。
これは杭打ち工事のデータ流用はやはり「常態化」しているものと言わざるを得ないのではないでしょうか。もはやデータ流用や改ざんでは驚かない、それぐらい当たり前に起きてしまっている用に思います。
三谷セキサンとは?
杭打ちにおいて業界の最大手の三谷セキサン。
三谷セキサン株式会社(みたにセキサン)は、福井県福井市に本社を置くコンクリート二次製品および砂利製品などを製造、販売する企業である。(三谷商事グループ)。
業界最大手のデータ流用、データ改ざんだからこそ、このニュースのインパクトは大きいと思います。旭化成建材が先行した結果、1件の発覚では驚かないぐらい慣れてきてしまっていますが、350件中1件ということは、0.28%。8000件調べたら22件あったという確率。多いとか少ないとかの次元ではないとは思いますが、全国規模で問題が発覚するのか?今後の発表や調査にも引き続き注目をしていきます。
解決方法はあるのか?
少なくとも今の制度や法律、仕組み・ルールの中で再発防止は無理だと思います。現場の裁量で適当にごまかせてしまう状態、そしてそう現場がせざるを得ない状況がある以上、今現時点で発表されている会社や情報以外にも「ある」方が自然です。
この問題を契機に改善・強化されることで明るい未来が開けると思います。その時、トカゲの尻尾きりや臭いものにはフタをしろで対処したら暗い影を抱き込むことになりそうです。
コストと工期、上からの圧力を解決したらデータ偽装がゼロになるわけではないでしょうが、大きな進展は期待できるのではないでしょうか。
透明化、青田売り、適正な利益と工期、現場再優先、偽装への処罰の厳格化(偽装するより、正しく行った方がメリットが出る方向)など出来るだろうと思われる改善案は多数あるかと思います。
あとはやるだけ、最後は現場の人がそうしたい時、そうできる環境と心にかかってくるかと思います。
そのためには消費者、エンドユーザー、客も賢くならなくてはなりません。客だから偉い、金を払ったから工期も守れという客の圧力も要因としてあるのかもしれません。
被害者だと騒いだり、誰が悪いとアラを探すのではなく「どうあればよいか」にみんながフォーカスし、相互にメリットあるお互いが幸せになるための具体的手法について、引き続きより良い方法やアイデアを発信して少しでも貢献できればと考えています。私も勉強中の身ですので間違った情報があったら申し訳ありません。教えてください。
住まい百貨店という多数の施主と業者が集まるプラットフォームの場も有効に活用し、より良い業界のありかたついてご意見を伺いながら一緒に考えていきたいと思います。どうか皆様のご意見もお寄せください。
ありがとうございましたm(_ _)m
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参考書籍候補
図書館も調べてこようと思います。
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